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一眼レフカメラやミラーレスカメラにはたくさんの種類がありますが、安い入門用カメラなら4〜5万円で買うことができますが、高いカメラとなるとボディだけで35万円、さらに高いカメラとなると70万円近くするカメラもあります。
価格が高ければ良い写真が撮れるのはなんとなくわかるけど、結局何が違うのか気になりますよね。
今日は5万円ほどの一眼レフカメラと40万円ほどの一眼レフカメラ両方を持っている私が、安いカメラと高いカメラの違いをできるかぎりわかりやすく解説します。
興味のある方はぜひご覧になってください。
高いカメラと安いカメラ
カメラは大きく分けると3つの価格帯に分類することができます。基本的にカメラは価格が高いほど性能がよくなります。
ハイエンドモデル
- 価格帯 本体のみで30万円以上
- センサーサイズ フルサイズ
- レンズ 1本10万円以上
プロ向けのカメラでレンズと本体を合わせる40万円近くもするカメラです。主なメーカーは『Canon』『Nikon』『SONY』でEOS 5Dシリーズや、D850など有名るカメラはこのグレードに位置します。
ミドルエンドモデル
- 価格帯 本体のみで10万円〜20万円
- センサーサイズ APS-C
- レンズ 初心者用からプロ用まで使う幅が広い
このクラスのカメラはCanonだと『EOS 80D』などがあります。Nikonだと『D7500』が該当します。
初心者用カメラからのステップアップにも最適で、最初から良いカメラが欲しいと思っている方は、初めからこの価格帯のカメラを購入することも多いです。
そういう点でも一番長く楽しく使えるカメラだとも言えます。レンズも初心者用を使う方からプロ用レンズを使う方など幅広い使い方をされています。
エントリーモデル
- 価格帯 レンズキットで10万円以下
- センサーサイズ APS-C
- レンズ 初心者用(EF-Sなど)
初めての一眼カメラのおすすめの価格帯です。本体のみで買う人はほとんどいなく、レンズがセットされていレンズキットで販売されていることが多いです。
カメラの性能は十分なのですがどうしても上を見てしまい、カメラにハマった方はすぐに上のグレートへステップアップしてしまいます。ステップアップ後はほぼ使うことがなくなるので、長い目で見ると中途半端なカメラになる可能性があります。
安いカメラと高いカメラで違うこと
今回はエントリークラスのカメラとハイエンドクラスのカメラの違いを紹介します。安いカメラと高いカメラはどこに差がでてくるのか、重要なポイントをまとめています。
画質について
おそらく1番気になるのが画質なのではないでしょうか。
画質が良いということは、イメージとしては理解しやすいのですが、具体的に何が良ければ画質が良いと言えるのかを考えるととても複雑になります。
そして画質というものは人の感覚であって、数値としては存在しない曖昧なものなのです。ここでは高いカメラが画質がよくなる例を紹介します。
- 高いカメラは高感度で暗所のノイズが少なく高画質になる
- 高いカメラ(レンズ)はにじみ処理が優れて高解像度となり高画質になる
- 高いカメラはAFが性能が優れているので早く動く被写体もピンチがしっかり合った高画質な写真になる
結果的に高いカメラが高画質になることは間違いありませんが、撮影条件が良い環境下であればある程、高いカメラも安いカメラも差はほとんど無くなります。
センサーサイズ
センサーについてですが、センサーはカメラの心臓部分でありカメラの画質を左右する最も重要な部品となります。最近のカメラはほとんどがデジタルですが、センサーをフィルムカメラで例えると最も重要なフィルムにあたります。
そして一般的な一眼カメラに使用されているセンサーは『APS-C』と『フルサイズ』の2種類があります。フルサイズの方がサイズが大きく、高いカメラに使われているのはフルサイズセンサーです。
フルサイズとは
フルサイズとは、フィルムカメラのフィルムの一コマと同じサイズのセンサーサイズの一眼レフカメラという事です。
簡単にいうと、カメラの始祖的な感じなのかなと思います。従来のフィルムカメラをそのままデジタル化したイメージです。ニコンではFXフォーマットと呼ばれています。
APS-Cとは
エントリークラスの一眼カメラのほとんどは、このセンサーサイズが用いられています。規格としての厳密な基準があるわけではないので、各社で若干サイズが違いますが、だいたいフルサイズ機の1.6倍画角が狭くなります。
この規格が開発されたのは、フルサイズセンサーは製造コストが高いため、コストが安く画質も大きく損なわれないサイズとして開発されました。コスト的な面だけでなく、カメラを小型化できるメリットもあります。
センサーサイズを比較するとこのような感じになります。(実寸ではありません)
フルサイズセンサーの方が大きいのが一目瞭然ですね。
センサーサイズによるの違い
センサーサイズによる違いは主に3つあります。
- 暗所撮影時の画質
- レンズの装着可否・画角
- 解像度
まず暗所撮影時の画質についてですが、夜景を撮影すると水玉のようなノイズが発生してしまうことがあるかと思います。
これはカメラには適正露出という最低限必要な光の量が決まっているのですが、暗い場所での撮影だと必要な光の量が足りない為、必要な光の量を確保する為に無理やり光を増幅させます。この機能をISO感度と言うのですが、ISO感度が上がりすぎるとノイズが発生してしまい、画質の悪い写真になってしまいます。
センサーサイズが大きいと光を受け取る面積が大きくなるので、自然とISO感度が下がりノイズがなくなって高画質なすっきりとした写真が撮れます。
次にレンズの装着可否と画角についてですが、センサーサイズが変わると使えるレンズの種類と画角が変わります。
一般的にフルサイズ対応のレンズをAPS-Cカメラで使用することはできるのですが、APS-C専用のレンズをフルサイズカメラで使用することはできません。カメラを買う時や、レンズを買うときは今の状態に合わせて対応しているかなどをしかっりと確認してください。フルサイズカメラの方が扱えるレンズの種類も限られる上に価格も高くなります。
そしてレンズの焦点距離はフルサイズ換算で表記されています。APS-Cの方がセンサーサイズが小さいのでAPS-Cカメラで使用する場合には焦点距離が1.6倍する必要があります。
解像度については、センサーを画用紙だと思ってください。すると同じを絵(写真)を大きい画用紙と小さい画用紙で書いて同じ大きさで見たときにどちらが鮮明に見えると思いますか?
小さい画用紙だと細かいところの色が潰れてしまうかもしれませんが、大きい画用紙だと色の境目をよりはっきりさせることができますよね。
光を受け取る面積が大きいセンサーの方が細部の色までくっきりした写真を撮ることができます。
- センサーサイズは主に2種類ある
- 高いカメラはフルサイズ
- 安いカメラはAPS-C
- センサーで対応しているレンズが変わる
- APS-Cカメラでしようする時は焦点距離は1.6倍になる
- フルサイズは光を多く集めることができ高画質な写真が撮れる
- フルサイズは光を多く集めることができ夜景も綺麗に撮れる
画素数
カメラをはじめたばかりの人が気になってしまうのが画素数ではないでしょうか。
単純にカメラの良し悪しを画素数で見てしまっていることもあるかと思います。高いカメラは一体どれだけ画素数が高いのだろうと思ったことはありませんか?
しかし、高いカメラの方が画素数が少ない場合もあります。
キヤノンのカメラを例にしてみると、中級機のEOS80D(約10万円)は2420万画素でキヤノンのカメラの最高峰に位置するEOS 1DX Mark Ⅱ(約65万円)は2020万画素しかありません。
確かに画素数は解像度に影響するのですが、画質を画素数で判断してはいけないのです。例えばピンボケしまくった写真もくっきりした高画質の写真も同じ画素数で撮られているなら同じ画素数の写真です。
結局画素数はどれだけのサイズの印刷ができるのかを示しているだけで、街頭ポスターなどとてつもなく大きなサイズに印刷する必要がなければ2000万画素もあれば十分すぎるぐらいです。ちなみにA4サイズに綺麗にプリントするのに必要な画素数は約630万画素です。それ以上の画素数があっても違いはありません。
オートフォーカス性能
一眼レフカメラでもミラーレス一眼カメラでもスマホとの最大の違いはオートフォーカス(AF)性能にあります。シャッターを半押ししただけで『ピピッ』とピントが合うのは一眼カメラの醍醐味でもあり、初心者からは軽視されやすいですが非常に重要なポイントです。
高いカメラは主にプロカメラマンが使うことが多いですが、絶対に逃せないシャッターチャンスをしっかりと抑える頼もしいカメラにオートフォーカス性能は重要な要素となります。
そして高いカメラと安いカメラではオートフォーカス性能に大きく差があります。
- オートフォーカスの範囲
- オートフォーカスの精度
- 測距点の数
- 暗所でのオートフォーカス精度
- 被写体の自動追従
高いカメラと安いカメラのAF性能は上記のようにポイントで顕著に現れます。メーカー側も上位機種と下位機種との差別化する為にオートフォーカス性能は差をつける傾向にあるようです。
もしも、飛行機や野鳥、スポーツなどとにかく早くて予測不能の動きがある被写体を撮影するときには、オートフォーカスの差を特に感じます。より高度な撮影をするときには安いカメラではなく、高いカメラを購入しましょう。
映像エンジン
引用:http://cweb.canon.jp/eos/lineup/5dmk4/feature-highquality.html
センサーはカメラの心臓部ですがデジタルカメラには頭脳となるCPUが搭載されています。iPhoneなどのスマホの写真が綺麗なのは、カメラ性能だけでなく頭脳となるCPUが優れているからです。
カメラはセンサーで光を電気信号に変換し画像データを作成するので、映像エンジンは解像度とノイズ処理に大きな影響を与えます。処理性能が優れている最新の映像エンジン(CPU)を搭載しているカメラの方が綺麗な画像を撮ることができます。
iPhoneなどのスマホのCPUが年々進化して今は少し前のパソコン並に優れているのと同じで、カメラの映像エンジンも年々処理性能が向上しています。その為高いカメラが最新の映像エンジンを搭載しているとも限りません。
私はキヤノンユーザーなので、キヤノンのカメラを例に見てみると、EOS 1DX Mark Ⅱ(約65万円 2016年4月発売)は『DIGIC6+』でEOS 6D Mark Ⅱ(約20万 2017年8月)は『DIGIC7』と価格的にはかなり差がありますが、後から発売されたEOS 6D Mark Ⅱの方が最新で高性能な映像エンジンを搭載しています。
映像エンジンに関しては時代と共に進化しているモノなので価格による差ではなく発売した時期による差で性能差がでます。
操作性
操作性はカメラの外見を見れば一目でわかりますが、操作性も価格の違いがあらわれやすい項目です。
具体的には高価なカメラ(プロ向け)ほど操作ボタンが大きく、種類も多いです。上の写真のサブディスプレイも上位機種には搭載していますが、初心者向けのカメラには搭載していません。
これはプロのニーズに合わせたもので、素早い撮影設定調整をスムーズに行えるようになっています。一方で初心者向けのカメラはボディサイズはコンパクトですが操作ボタンが少ない為、設定を変更する際にいちいち設定画面を開いて変更する必要があります。
カメラはどんなシャッターチャンスにでも瞬時に対応する必要があるので、いちいち設定画面を開いて撮影設定を変更していると大事なシャッターチャンスを逃すことになります。高価なカメラはそういう点も踏まえられた設計がされているので非常に操作性が良いです。
また、ファインダー内に表示される情報や、ファインダーから見える視野が全く違います。
例えば、エントリークラスの一眼レフカメラ EOS Kiss X9(約6万円)の視野率は95%しかありませんが、上級機のEOS 5D Mark Ⅳ(約35万)は視野率100%です。視野率が100%だと写真に写る全ての範囲をファインダーを覗いて確認できますが、95%だと撮ると写るけどファインダーからは見えない部分があります。これだと写る画角ギリギリを狙って写真を撮るのが難しくなります。
そしてファイダー内に表示される情報で便利な機能1つにファインダー内水準器があります。写真を撮る上で水平はとても重要な要素ですが、人の手と目だけで水平を取るのは難しいです。ファインダー内に水準器があれば簡単に水平がとれた写真を撮ることができるのでとても便利ですが、これも安いカメラだとそもそもこの機能がなかったり、簡易的なもので使いにくかったりします。
このような機能も価格が安いカメラにはなかったり、あったとしても簡易的な機能だったりします。高価なカメラにはこのような撮影をサポートしてくれる機能や設定ボタンが多く備わっています。
こうみると、高いカメラの方が圧倒的に写真を撮りやすいと感じますが、高価なカメラ程機能が備わっている分ボディが大きく重たくなります。
軽くてコンパクトな方が操作しやすい人もいるので、必ずしも高価なカメラが操作性良いとは限りません。
- 設定ボタンの数が違う
- サブディスプレイの有無
- 視野率の違い
- ファイダー内水準器の性能差・有無
- 高価なほど大きくて重たい
- 安価なほど軽量で小さい
連写枚数
機種 | 連続撮影速度 | センサーサイズ | 価格 |
---|---|---|---|
EOS-1D X Mark Ⅱ | 約14コマ/秒 | フルサイズ | 約60万円 |
EOS 5D Mark Ⅳ | 約7コマ/秒 | フルサイズ | 約35万円 |
EOS 6D Mark Ⅱ | 約6.5コマ/秒 | フルサイズ | 約20万円 |
EOS 7D Mark Ⅱ | 約10コマ/秒 | APS-C | 約14万円 |
EOS 80D | 約7.5コマ/秒 | APS-C | 約10万円 |
EOS 9000D | 約6コマ/秒 | APS-C | 約9万円 |
EOS Kiss X9i | 約6コマ/秒 | APS-C | 約8万円 |
EOS Kiss X9 | 約5コマ/秒 | APS-C | 約7万円 |
連続撮影速度と価格は例外はありますがだいたい比例します。
EOS-1D X Mark Ⅱが最高峰に位置するカメラですが、フルサイズセンサーで約14コマと飛ぶ抜けているのがわかりますね。価格も飛び抜けていますが。
EOS 7D Mark ⅡはAPS-Cサイズのセンサーの最高峰に位置するカメラで、動体モノに強いカメラとなっています。連写速度は上位機種よりも優れた性能ですが、価格はそれほど高くないです。いかにフルサイズセンサーのカメラが高いかがわかります。
航空ショーや野鳥の撮影などとにかく動きの早い被写体を撮影する方は、連写速度は重要なスペックなので、ぜひ参考にしてください。
耐久性
安いカメラと高いカメラでは耐久性にも大きな違いがあります。やはり求められる性能が違うからなのですが、例えば写真登山家が頂上に登ってさぁ写真を撮ろうとした時に、カメラが壊れているとどうなるでしょうか。
多大なる経済損失となってしまいますよね。
このようにプロカメラマンは『カメラの故障=仕事ができない』となる訳なので、カメラの信頼度というのは非常に大切です。単純な耐久性だけでなく、過酷な環境に耐えれれるような防滴・防塵性能など、高価なカメラはプロのニーズに合った耐久性を兼ね備えています。
メーカー側でも耐久テストを行なっており公表はされていませんが、大体下記のようになっていると言われています。参考程度にご覧ください。
- 60万円以上・・・約30万回〜40万回
- 10万円〜40万円・・・約15万回
- 10万以下・・・約5万回
価格が高くなるにつれて耐久性も上がっています。プロと一般人ではシャッターをきる回数も桁違いなので、やはり高いカメラにはそれなりの耐久度が必要ということです。
レンズ
カメラの性能も大事ですが、高画質な写真を撮るためにはレンズも非常に大切です!
高いカメラは高いレンズを使って初めて真価を発揮すると言われています。高いカメラと安いカメラではキットレンズにも大きな差があり、高いカメラには同じ焦点距離でも価格が倍ぐらいするレンズがセットで販売されています。
例えばEF24-70mm F2.8L II USM(約20万円)とEF24-105mm F3.5-5.6 IS STM(約7万円)は焦点距離もレンズの明るさを示すF値も大きくは変わりません。しかし価格差は10万円以上もあります。
何が変わるのかというと、一般的なレンズは解放は甘く解像度もコントラストもにじみの処理もそこそこ程度で、安くなればなるほど明るいレンズでも高画質とはなりません。
しかし、特にLレンズなどの高級レンズは解放からもぐっとシャープな物が多く、解放からシャープな物は安いレンズや中クラスレンズでもできません。高コントラスト、にじみの処理、中央だけに限らず高い解像度、そして防塵防滴・・・
高画質を求めていくと、結局高いレンズにたどり着いてしまいます。
画質はレンズでも大きく変わります。そして高級レンズは主にフルサイズカメラで使うのをメインに作られていますので、高いカメラで最適に使うことができます。
高いカメラ=高画質?
高いカメラは安いカメラと比べてもちろん高画質な写真を撮ることができますが、それは対応できる撮影条件が多いからで、条件が良い環境下だと大した差を感じることができません。過度に期待するのは辞めといたほうが良いです。
- 画質に差がでるのは撮影条件が悪い環境下
- よく晴れてた撮影条件が良い日はほとんど変わらない
- 価格が3倍でも実際に差を感じるのは1.5倍ほど
画質面だけど言うと価格が3倍でも、体感的には1.5倍ぐらいの差しかないと感じます。たった5割り増しの為に何十万円ものお金がかかると思ってください。
もちろん高価なカメラでしか撮れない写真もありますが、そんな場面に出会うことは滅多にないでしょう。安いカメラでもカメラを十分楽しむことはできるので、あまり無理して上位機種を買うよりも、その浮いたお金で違うタイプのレンズを購入したり、写真旅行の為の資金にしてください。
まとめ
高いカメラと安いカメラの違いは大体わかったでしょうか?
カメラを始めるときにどれくらいの価格のカメラが良いのか迷うかもしれませんが、安いカメラでもテクニックや三脚を使うことで綺麗な写真を撮ることは可能です。
あまり無理をせずに自分が欲しい機能を把握して、自分が撮りたい写真を撮る為にはどれくらいのスペックが必要かを考えましょう。
自分に合うカメラが最も優れた良いカメラとなります。きちっと選んで楽しいカメラ生活を送りましょう!
以上。最後までお読み頂きありがとうございました。